孤島の鬼

日々の備忘録。文章表現、感情表現の練習の場です。更新はなるべく毎日・・・

11枚のとらんぷ

 泡坂妻夫「11のとらんぷ」読了。なかなか軽い読み応えだが、軽妙でユーモラス。劇中作の出来も非常にいい。10番目の殺人がさらっと流されたりするが、途中に差し込まれる奇術の説明でシンプルに見せる、という説明でなんとなくそんなものか、と思わせてしまうのでなかなかすごい。

 これがデビュー作なのだからすごいよね。しかし、どうもさらっとしすぎている気もする。もう少しドラマチックであっても良いのかもしれない。まあ好みの問題のレベル。読みやすさもあり、サラサラ読めてしまうが、登場人物がそこそこ多いので、序盤の劇が楽しめるかで評価分かれるかも。序盤と後半でキャラクターが少し変わって見えたりするんだけども、舞台自体も変わるのでそんなものかな?と思わせる。

 晴江さんががんがんビールだすのとか、序盤にイメージしていたキャラクターからいい意味で裏切られて面白かった。桂子も同じようなイメージ。背が高いことにコンプレックスを持ってる?というイメージだったが、世界大会編ではのびのびしてる上に妙なロマンスもあり、なかなか楽しい。このキャラクターで続きが読みたいところだ。

 ラストの決着の付け方は少し肩すかしかな。まあ良い余韻でもあるんだけど。