孤島の鬼

日々の備忘録。文章表現、感情表現の練習の場です。更新はなるべく毎日・・・

鍵泥棒のメソッド

アマゾンプライムで視聴。

ミステリ好きな人の間でラストのどんでん返しが良いという評価を聞いたので期待して見た。結果は端的に言うと、期待外れ。そこまで面白いかあ?ッという感触。

たぶん自分は堺雅人の演技が苦手なのだ。堺雅人半沢直樹での役がはまり役だったというだけで、基本的にあの感じしかできない役者だと思ってる。もしくはにこにこの演技。まあ色々なことができる役者が巧い役者かっていうとそうじゃないから別にいいんだけど、木村拓哉とか竹中直人とかが巧いかっていうと、それは違うんじゃない?って思ってるので、個人的に、あくまで個人的にそれほど評価をしていない。それで言うと本作のヒロインである広末涼子にも同じことが言える。

監督の内田けんじが演劇の人ということもあってか、演技も舞台テイスト。終盤の香川照之との演技の練習なんか非常に良かった。ギャグもなんというか舞台向けのネタっぽいんですが、これについては鼻に付く人ももしかしたらいるのかもしれない。私は好きですけど。

伏線が張られまくっている、という前評判だけど、素直に回収されるのでそれほど印象に残るものはなかった。とあるサイトでは序盤、香川照之が犯行に及ぶ直前に聞いていたクラシックと、記憶を取り戻した時にかかっていたクラシックが同じで、それを伏線と書いてましたけど、それは違うでしょ。

ラスト、堺雅人のもとに、一階に住む猫好きの女がやってきて、恋の予感を感じさせて物語は終わるけど、これはちょっと蛇足かな。でも映画のラストってちょっとさみしいから、ああいう演出は嫌いじゃないです。

堺雅人が、香川照之の昔の写真をめくるシーンで意味深に画面の半分で手を止めるもんだから、まさか奥さん森口瑶子か!?と無駄な推理をしてしまったが、そんなことはなかった。森口瑶子の豹変ぶりが良かったけど、まあ予想の範囲内。

ラストシーン、大層に抱き合うのは、リアガラス越しは良くなかったと思う。間接的に描くのではなくて、直接的に見せてほしかったな。あそこで少しすかされた感じが出た。まあラストなので、余韻と取るか。森口瑶子の壁殴りで終わるのって、なあ。